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「今の子どもは何を考えてるかわからない!」「子どもは変わってしまった」……

第12回 ゲーム脳の恐怖:その1

テレビゲームは心身に悪影響を与えると
書籍や雑誌で取り沙汰されていますが、
その裏づけが提示されることはあまりありません。

脳神経科学者である著者が、具体的な研究結果をもとに、
テレビゲームが脳そのものにどんな影響を与えるのかを
見える形で提示したのが、今回とりあげる
『ゲーム脳の恐怖』(森昭雄著・生活人新書 2002年)です。
ゲームに熱中することと、現代の子どもたちの病理性には
深い関連があることにも触れています。

科学が進歩し、詳細な研究結果が明らかにされればされるほど、
神さまが人間を人格的に創造し、
〈人間関係の中に〉生きるように造られたという
聖書の真理が輝きを増し、
大きな解決をもたらすことに気付かされていくでしょう。
では、ともに学んでみましょう。

〈ゲーム中に起こる驚くべき脳波の変化〉

 非行歴や問題がなかった子どもが突発的に「キレる」ケースが増加しています。「キレる」「むかつく」という言葉に象徴されるように、子どもの抑制力やコミュニケーション能力の欠如が浮き彫りにされています。ちょっと注意されても〈言葉〉で反応するのではなく、カッとなって暴力を振るうなど、冷静に判断し行動する力が弱まってきているのです。この原因を親の躾(例えば、子どもを叱らなくなったからだ…など)と指摘する人もいますが、一方でテレビゲームとの関係も取り上げられるようになってきました。虚構の世界に没入することで、現実との区別がつかない、あるいは、ゲームの暴力行為に加わることで攻撃的な性格が形成されているのではないかと指摘され始めたのです。しかし、これらは科学的な裏づけのない憶測に過ぎません。そこで、脳神経科学者である著者は、テレビゲームをしている人の脳波の変化をデータ化しようと試みたわけですが、その変化は劇的で、驚くほどはっきりとした結果が現れたのです。


 著者は、高齢者における痴呆の研究を専門にし、彼らの脳の状態を調べるため、おでこに相当する前頭前野領域の頭皮上でα波(リラックス・集中…)とβ波(緊張・分散…)を測定、その比を求めることで85%痴呆を判定できる機器と方法を開発することに成功しました。痴呆者は前頭前野の働きが低下していき、β波の出現状態がα波のレベルまで低下するようになります。そして痴呆の重い人はβ波とα波が完全に重なるのだそうです。そこで、テレビゲームを長期間行っている人の脳波を測定したところ、痴呆者と同じ脳波、または重い痴呆の人の脳波に非常に似ていることが分かりました。深刻な人は、β波がほとんど出現しないという結果まで出たのです。


 典型的なデータを紹介してみます。ある人がゲームをし始めると1分後にβ波が激減し、α波とβ波が重なります。そして、ゲームをやめると30秒くらいでβ波は元の状態に回復します。しかし、重症になると、ゲームをやめても元に戻らなくなり、さらに重症な人は、ゲームをやっていない時でも、痴呆者と同じような脳波を示すことがわかってきました。

 つまり、ゲームが前頭前野の機能低下を確実にもたらしているという証拠なのです。前頭前野は人間らしさを表現する場所であり、道徳心、羞恥心、また、こんなことをしたら周りの人がどう思うだろうなどといった他人を想う気持ちをつかさどる場所、また理性的に物事を考えたり、新しい知識を、持っている知識と組み合わせて創造する場所です。その部分の機能が低下すると、判断力や抑制力がなくなり、状況や周囲に配慮しない行動を取るようになります。すなわち、自分勝手な態度や非常識な言葉づかい、暴力的行為などが典型的な例で、無気力をももたらします。人目を気にせず電車内で化粧をする人、公衆の面前で抱き合っているカップル、電車の入り口などに座り込んでいる人々などはその具体例と言えるでしょう。

次回は、「ゲーム脳の4タイプについて」です。
さて、あなたやあなたの子どもは一体どのタイプなのでしょう…。

つづく

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