今回のレースは"思い出の地"ドイツである。
今から14年前のことである。1994年夏、私たちはドイツに乗り込んだ。いくら日本でF1が盛り上がろうと、本場ヨーロッパにはかなわない。ヨーロッパにおいては、F1は文化であり、F1ドライバーは英雄なのだ。子どもから老人まで非常に多くの人がF1に親しみ楽しんでいる。私はどうしても本場でF1を体感したかったのである。
その手段として、大きな決断(即断だったが)をした。なんと、新婚旅行で本場に行こうと思ったのである。婚約者には大反対・・・・・・・されなかった。要するに彼女もF1が好きだったのである。そして選んだ場所がここ、大歓声が地響きを起こすと言われているスタジアムを持つ、ドイツホッケンハイムサーキット。
さて、今回のドイツGPでは、驚くことに今年から参戦のルーキー、ネルソン・ピケJrが堂々2位に入った。ここまで全くいいところがなく、実力を疑問視されていたピケがすばらしい結果を残したのである。マシン的にはとても2位になれるマシンではないのに、その上ルーキーで2位とは。F1は甘くない、だから、すごすぎる!
時は戻って1994年。その時のドイツGPも、ルーキーのオリビエ・パニスが2位というすばらしい結果を残した。フェラーリのこの年唯一の勝利に花を添えるさわやかな2位であった。レース後、妻は、背の高いドイツ人の人ごみをかきわけて、パニスにサインしてもらおうと駆け寄った。色紙ではなく、入場チケットを持って。ドイツ人ばかりの中に東洋人の女の子(当時)が目立ったのだろう。パニスはおもむろに隣の人からペンを取り上げ、そのチケットにサインしてくれたのである。これがそうだ。

「Ol P~_」。わが家のちょっとした宝物に数えられている。"思い出の地""思い出の2位"。1994年は暑い、熱い夏であった。・・・つづく。