2008年9月アーカイブ

ついに来た。やっと来た。来るべくして・・・・・・来たーーーっ。

2008年F1の第15戦目に来て、とうとうあの男が来た。織田祐二ではない。スペインの英雄フェルナンド・アロンソだ。F1史上初のナイトレース。きらびやかなシンガポールの大都会の夜に、劇的な優勝を飾ったアロンソ。予選ではマシントラブルにより15位に沈み、砂を噛むような悔しさを味わったが、そこからの大逆転勝利だった。

 

劇的な今シーズン初優勝だったが、ここまでの道のりも、これまた砂を噛むような悔しさともどかしさの中でのレースが続いた。2005年・2006年と2年連続のチャンピオンのアロンソであっても、表彰台は遠く、ポイントを獲得するのがやっとというほど、今年はマシンの性能が悪かったのである。本来のアロンソの目標(シリーズ優勝)には全く及ばない苦戦に次ぐ苦戦であった。

今シーズン4位が5回あるが、あと少しで表彰台というより、かえって表彰台が遠いことを思い知らされたのではないか。それでも彼は、いつも、どんな状態でもベストを尽くしてきた。フリー走行のとき、マシンセットアップのために、何度も同じことを試したりするところにもそれが表れていた。彼は決してあきらめることなく、今の自分とチームにとって最高の結果を求め、忍耐をもってコツコツとやるべきことをやり、すばらしい集中力をもってレースを戦ってきたのである。F1ドライバーとして速さだけではなく、その姿勢も超一流だと私は思う。

以下、優勝したアロンソのコメント。

 

「これは最高の結果だ。僕の今シーズン初表彰台で、初勝利。とてもうれしいよ。自分たちが達成したことを実感するのには、何日かかかると思うけどね。昨日の予選でチャンスを逃していたから、ここのグランプリで勝つことは本当に不可能だと思っていた。でも、今日の僕たちはとても運がよかったし、チームにとってもすばらしい結果だ。僕たちはとても攻撃的な戦略を採用し、運もちょっとあった。ペースはよかったし、マシンは週末を通じて最高だったんだ。」

 

1は今回で通算800戦目のメモリアルレース。そして史上初のナイトレース。私もとても充実した気分でレースを終えることができた。「グラシアス、アロンソ」

そして、いよいよ、日本GPだ。世界最高峰が富士のふもとにやってくる。あと13日。

おおお、じっとしていられない。・・・つづく。

 

※次週はブログをお休みします。10/13日本GP特集をお楽しみに!

この前のイアリアGP・・・何度見ても感動する(ちなみに5回見た)。

録画したDVDにキズが入っていたため(不覚)、最初と後半しか見ることができなかったが、やはりいい! トロロッソチームが優勝したこと、ベッテルという21歳の若者が優勝したことの背景にあるさまざまなことがあまりにもドラマティックなのである。そして、絶対勝つはずのないチーム、ドライバーが優勝したことによって、「絶対」などということはF1においてもない、ということが改めてよくわかった。

 

それにしてもこのレース、すべてのことがこのトロロッソとベッテルが優勝するように仕向けられてきたように思う。天候までもが、その瞬間瞬間において彼らに有利にはたらいた。このレースまでにF1に携わってきたすべての人間が積み重ねてきたもの、それがまるで一本の糸につなげられたような感じがしてならない。しかもこれがさらなる飛躍へとつながっていくという期待感が高まってしょうがないのである。トロロッソのこれまでの努力、ベッテルの才能は確かにすばらしいが、そういう人間わざによるものではない、神わざによってなせた2008年イタリアGPであったと、私は声をにして言いたい。表現しきれないほどのドラマがこのレースには満ちていた。ああ、語り尽くせないとはまさにこのこと。

 

語り尽くせないので、今日はこのへんで。次回9/28シンガポールGP、F1史上初のナイトレース。おお、待ちきれない。・・・つづく。

「順調なスタートだ・・・この雨の中結構落ち着いているな・・・けど、そろそろ抜かれるな・・・(中盤)もしかしたら、いやいや甘くない甘くない・・・(終盤)もしかしてもしかして・・・まさかな、うんまさかだ、しかしここまで来たら、そのまま行ってほしい・・・あせるな。すべるな。エンジン壊れるな。頼む。行ってくれ。行けー。(残り一周)ガンバレ、ガンバレ、ガンバレ、あと半周、もう少し、あとちょっと、大丈夫だ、ゴーーーーーーーール。よっしゃーー、やったー。やったー。やったー。(夜中だったので声を殺しながら、何度もガッツポーズ)」

昨日の勝利ほど痛快でさわやかで初々しい勝利は、ここ数年いや10年以上なかったように思う。チャンピオン争いがなんだ。これがレースだ。これがF1だ!昨日のレースのウイナーは弱冠21歳、セバスチャン・ベッテルであり、長年弱小チームと呼ばれ続けてきたイタリアのトロロッソというチームだ!

 

昨日開催されたイタリアGPのモンツァサーキットは、フェラーリの聖地と呼ばれている。このグランプリだけは、サーキット内がフェラーリの応援一色、フェラーリの旗や帽子、Tシャツなどで赤一色になる。フェラーリファンのことを「ティフォッシ」と言うが、ティフォッシはフェラーリの勝利を信じ、レースを見に来ているのだ。とにかく世界中のフェラーリファンが、この場所でフェラーリを応援し勝利することにあこがれている。

 「しかしイタリアのチームはフェラーリだけではない」と言わんばかりに、フェラーリの聖地で「我ここにあり」ということを世界中に知らしめたのが、このトロロッソチーム。フェラーリどころかチャンピオン争いをも吹き飛ばすほどのことを彼らは成し遂げた。

 

 トロロッソは、古き良きレース屋のにおいを放つチームである。3位表彰台どころか入賞すらなかなかできず、常に弱小チームと呼ばれていた彼らにとって「優勝」は夢のまた夢。F1を知り尽くしているからこそ、勝利と現実とのあまりのギャップに、夢ではあるが、具体的に掲げられない目標が「優勝」であったと思う。しかし彼らはここまで継続してレースをしてきた。フェラーリには全く歯がたたないが、彼らはレースを愛し、F1を愛しここまでやってきた。それがわかるので、優勝の瞬間には私もテレビの前で何度もガッツポーズをしてしまった。本当に痛快でさわやかな初勝利だった。トロロッソチームはこの大勝利を、ベッテルの最年少優勝という新記録とともに打ち立てた。フェラーリが2台ともふがいないレースをする中でがっかりしていたティフォッシにとって、もう一つのイタリアのチームによって救われ、F1のすばらしさに納得した一日になったのではないか。「グラッツェ トロロッソ」

 

ベッテル優勝.JPG

 

さ~~て、F1もヨーロッパラウンドが終わり、いよいよアジアラウンド。次はF1初のナイトレース、シンガポールGP。そして、日本GPまであと27日。・・・つづく。

レースは何が起こるかわからない、いやレースが終わってからも何が起こるかわからない。昨日のF1第13戦ベルギーGPは、結果的にちょっと苦いレースとなった。

 

ランキングトップの"銀河帝国の雄"マクラーレンのハミルトン。2位の"株価急上昇中"のフェラーリのマッサ、3位の"もう後がないぞ"ディフェンディングチャンピオンのフェラーリ、ライコネン。この3人によるガチンコ勝負。残り6戦の天王山第一戦目であった。

 

ドラマはラスト3周目に起こった。1位ライコネン、2位ハミルトン、3位マッサの順で走っていた。そこに激しい雨が降ってきたのである。その激しい雨の中、ライコネンはスピンしクラッシュしてリタイヤ。ハミルトンが優勝。マッサは2位になった。しかしレース終了後、ハミルトンのライコネンに対するオーバーテイクがルール違反、アンフェアとされ、25秒のペナルティが加算され、3位に転落。マッサが繰り上がり優勝となった。

 

 ①スタートからラスト3周までの主役は、それまでトップを守り、逆転王座への望みを

      ついでいたライコネン。しかしリタイヤにより脇役へ。

 ②次なる主役は、トップチェッカーを受けたハミルトン。しかしルール違反によ脇役

  へ。

 ③そして主役は、繰り上がり優勝のマッサに。しかしレースが終わってからではもう遅

  い。で、脇役へ。

すなわち、コロコロ変わるレースリザルトによって、結果として、誰も主役になりきれなかったのである。

 

今回の舞台は、ベルギーはアルデンヌの森にある孤高のサーキット。その名もスパ・フランコルシャンサーキット。F1サーキット最長一周7kmのコースである。平均時速は230kmにも達する。高低差70mくらいあるオールージュ(フランス語で赤い川)と呼ばれる壁のように感じる登り坂のコーナーがある。強烈なタテGを受けながらそのあとのストレートエンドまでアクセル全開23秒間。ドライバーの勇気と度胸とテクニックが試される。また、天候が変わりやすく、レース中に雨もよく降る。それが局地的であったり豪雨だったりするので、よけい厄介だ。実は"スパウェザー"と呼ばれるこの天候こそが、ドライバーにとって最大の敵なのである。今回の主役は間違いなく、ここスパ・フランコルシャンサーキットそのものであった。

 

ドライバーの高ぶりを許さず、あらゆるハイテクの追従を許さず、人間が成長するために立ちはだかるコース。それが、スパ・フランコルシャンサーキットだ!この森には、F1ドライバーの成長のためのファクターがいっぱい詰まっている。

さ~~て、なにはともあれ、そろそろカウントダウンせねば。日本GPまであと34日!・・・つづく。

ベートーベン交響曲第7番。いい、これはいける!この曲を好きになった理由は、

爆発的な人気で一世を風靡した月9のドラマ「のだめカンタービレ」を見たからだ。その「のだめ」が8/28から再放送されはじめた。これは見ない手はない。(見ている)

 

ドラマ自体のいい点はたくさんあるが、ここは音に注目してみたい。ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、トランペット、オーボエ、クラリネット、ホルンなど、さまざまな楽器がオケの中で何人もの手によって演奏されている。型やぶりなところもあるが、一人ひとりが音楽に向き合い、その音をからだ全体で奏でている。それぞれの楽器の美しい音色が、演奏者の技術によるだけでなく、その熱情によって、カンタービレ(歌うように)、表現されている。「最後の一音まで。」その結晶が"のだめ"であり、感動のベト7番なのだ。

 

ところで、このブログの第一話(4/9)で、F1の魅力の半分くらいが「音」であるということを書いた。初めてナマでF1を見たとき、その音を肌で感じ、以来私の中でそのことが確信となっている。一人ひとりのドライバーの、一つひとつのチームの技術と熱情が、それぞれのマシンの音にあらわれているのだ。中でも、90年代前半のF1の音はすばらしかった。特にフェラーリV12(V型12気筒)エンジンの甲高い音は、後頭部を刺激する最高に心地いい音であった。ホンダも同じV12型のエンジンだがフェラーリと一味違う音で「ホンダミュージック」と呼ばれていた。ルノーV10、フォードV8などいろいろなエンジン音が絡み合って、すばらしいF1サウンドを奏でていたのである。例えるなら、フェラーリとホンダはヴァイオリン、ルノーはヴィオラ、フォードはチェロか。とにかくシビレル!

 

今はどのチームもV8エンジンで、メーカーごとの特徴がわかりにくいが、スペインバレンシアでの地中海に響くF1サウンドをみなさんにも聞いていただきたい。きっと鳥肌が立つはず。パソコンの音量を最大にしてほしい。これが時速300kmの世界だ!  

 →  F1サウンド.WMA

テレビ前での録音であるため、実況の声もあったりして、ちょっと残念であるが、まさに「F1カンタービレ」。レースに出場している20台をもってして、このすばらしい交響曲を奏でているのだ。レースで速さを見ると同時に、このサウンドを1時間半にわたって聴くという至高のひとときを、私は過ごしているのである。

このつづきはぜひテレビで。9/7ベルギーGP。どうか味わってほしい。「歌うように」F1カンタービレ。フォーミュラ交響曲第1番を!・・・つづく。